『生きる』ひきこもりシングルマザーの心の記録

双極性障害という病気との付き合い方を模索中です。突然急上昇したり底に突き落とされたり振り回されっぱなしです。でも生きる事はもう放棄しません。

ある青年の死 向精神薬の薬害

『ひきこもり』に関するドキュメント番組を

2本YouTubeで観た。

 

同じ『ひきこもり』でも対象的な結末となった。

 

まずは大学2年生の時にひきこもりになった

青年の事を書こうと思う。

 

 

明るくサークル活動も楽しんでいた青年が

突然ひきこもりになった。

父親はひきこもりになった理由が今でもわからないと言った。

 

ひきこもりになった息子を自宅へ連れて帰った。

そして精神科を受診する。

うつ病と診断されそこで

向精神薬SSRIを処方された。

(この薬は私も現在飲んでいる)

 

 

それを飲んだ青年はある日突然近所の方に

殴り掛かるという事件を起こす。

そして薬の副作用と判断され違う薬を

処方された。

 

 

すると次は身体が硬直してしまい

救急車で病院に搬送された。

そして精神科病棟へ入院する事になった。

 

 

病状が良くなったと言われ退院した青年だが

首が曲がり顎が身体に付いた状態だった。

 

 

退院して親しかった友人に元気になったと

年賀状を出した。

 

 

幼馴染が訪ねて変り果てた姿にがく然としたと後に話していた。

海が見たいと言う青年を車に乗せ話しながら

ドライブするものの話が噛み合わない。

 

元気になったとはとても思えなかったという。

 

 

その後父親は周囲の目が気にならないようにと息子を想い違う土地へ引っ越した。

 

青年は大学時代の写真を見つめながら

「自分の周りに誰もいなくなった」と言っていたという。

 

 

それから青年は急激に悪化していく。

お風呂に3ヶ月も入らず外で用を足したり

家で食事の皿を投げ暴れるように。

 

 

父親は再び青年を入院させた。

暴れ興奮する青年は身体拘束を2ヶ月間された状態で過ごす。

そして保護室へと移された。

 

 

決まった時間に看護師が2人で入ってきて 

食事をさせながらオムツ交換をする。

その時間わずか10分。

 

 

その病院で青年は事件に巻き込まれた。

 

看護師に暴行を受け意識を失ったのだ。

(現在もこの裁判は続いている)

 

 

そして別の病院へ救急搬送される。 

2ヶ月間の闘病生活の末、青年は息を引き取った。

 

見守る親族の中で最期に青年が言った言葉。

 

「僕の人生どうしてこんなになっちゃったんだろう」

 

 

その言葉がとても切なかった。

 

青年は薬の副作用で寝たきりのように

なりながらも

心の奥底で自分の意思を持ちずっと葛藤していたのだ。

 

長い間1人その心のせめぎ合いの苦しみを想像しただけで胸が潰されそうに切なくなる。

 

 

父親は自分が良かれと思ってやったことが

全て裏目に出たのかもしれない…涙を浮かべとても悔やんでいた。

 

そして未だに納骨できず息子の遺灰と一緒に

暮らしている。

 

 

なぜ学生生活を楽しんでいた青年がこんな悲しい最期を迎えねばならなかったのだろう。

 

 

青年のカルテを見た第三者の医師は過剰な量の薬の処方などは見られないと言った。

 

だったら何故こんなに人生が崩壊していってしまったのか…

 

暴行した看護師が青年の命を最後は奪ったのだと思う。(その点も裁判で争われているが)

 

でも自分が崩壊していき、それをどうにも

出来ない青年の心の苦しみは測り知れない。

 

 

私も薬で生かされると思う時がある。

 

眠気を感じても眠れない。

 

全てに気力も興味も失い食事をとることも、

お風呂に入ることも、話すことも、

布団から起き上がることも出来なくなる。

 

生きてる実感が失せていく。

 

そんな自分を少しでも改善してくれるのが

向精神薬だ。

 

『断薬』などと耳にするが私は自信が無い。

薬がないと正直不安になる。

 

もちろん7年も様々な薬を試したので

副作用で辛い思いもした。

それでも私は薬を手放せないだろう。

 

薬で今の苦しみが少しでも和らぐ可能性が

あるなら私は進んで薬を飲む。

 

私は一生薬を飲むんだろう…とどこかで

思っている。

 

 

魔法のような向精神薬が時に毒薬にもなる。

 

いや魔法などなくてやはり毒薬なのかな…

 

 

それでも私は今日も向精神薬を飲む。

 

 


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