『生きる』ひきこもりシングルマザーの心の記録

双極性障害という病気との付き合い方を模索中です。突然急上昇したり底に突き落とされたり振り回されっぱなしです。でも生きる事はもう放棄しません。

優しい嘘

今日は今頃予約したホテルで彼は大好きなお酒を飲みながらご機嫌で話し 

私はその姿を微笑んで見ていたはずだった。


そんな事は無かったかのように1日が終わろうとしている。



10月18日を最後に彼は何も言わず

私の前から消えた。


これで何度目になるだろう。

彼に黙って置き去りにされたのは。



もう数年前のこと。

隣の家のおじいさんが熱中症で病院に運ばれた。

いろいろ検査した結果、肺が病に蝕まれ

今まで普通に生活してたのが信じられない程の状態だったそうだ。


私たち家族はお見舞いに行った。


父がおじいさんに


「もう涼しくなってきたから早く帰ってこらっしゃいよ」


と言った。

家に二度と帰って来ることなどできないのは誰もが分かっていた。



私は世の中にこんな『優しい嘘』が

あることを知った。



そしておじいさんは一週間後に息を引き取った。


私は声を上げて泣いた。

産まれた頃からずっと見守ってくれた

おじいさん。

想い出が次々浮かんで…これを書きながらも涙がポロポロ流れる。



おじいさんには一人娘がいた。

私が物心ついた頃には毎日家にいた。

寡黙で目も合わせない。

娘さんは引きこもりだった。



おじいさんが亡くなって一人になった

娘さんはその1ヶ月後自殺した。


私はその時すでに引きこもりだった。

とてもショックだった。


口にはしないが私の両親もきっと。 



彼も私の前から何も言わずに消えてしまうならいっそ嘘でもいいから


「嫌いになった」

「好きな人ができた」


って言ってほしかった。


最後に『優しい嘘』をついて欲しかった。


そしたら今もこんなに辛い想いすること無かったのに。



考えてみたら嫌いな人ってほとんどいないことに気づいた。


元旦那とその両親くらいで。



引きこもりだけど人が嫌いじゃないんだ。

どう接していいかわからないから

怖いだけで。



ねぇ誰か人を嫌いになる方法を教えてよ。


借りた本が視界に入る度に胸が苦しい。


こんな辛い想いをするなら人なんか 

愛するんじゃなかった。



明日の朝目が覚めたら彼の記憶が全部

消えて失くなってればいいのに。

 

 


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