『生きる』ひきこもりシングルマザーの心の記録

双極性障害という病気との付き合い方を模索中です。突然急上昇したり底に突き落とされたり振り回されっぱなしです。でも生きる事はもう放棄しません。

暗黒の入院生活Part2

【前回の続きです】


同室の女の子はいつも通り楽しそうに笑って話している。

でも、その日の私はその子の笑い声が耳について仕方なかった。


なによりそんな自分が惨めだった。


たまらなくなり誰もいない喫煙所へ行った。

そして隠し持っていたカミソリで

何度も何度も手首を切りつけた。


解放感でさっきまでの気分が吹き飛んだ。


立ち上がり廊下に出た。

血だらけの私を見て患者が看護師を

呼びに行った。


持っていたカミソリを取り上げられ


「何やってるの!!」


そのまま事務所へ連れていかれた。

処置を受けながらスティックに入った液状の薬を飲まされた。

幸い保護室は満床だった。


「この薬で落ちつくから座ってて」


もう落ち着いているんだけど。

液状の薬の効果は全く実感出来なかった。


その間に私の部屋の荷物を全てチェックされていた。

看護師に連れられて部屋に戻ると

衣服も全て無くなっていた。



次の日から「衣服を出してください」と言わなければならなくなった。

看護師は人手不足なのか皆いつも走り回っていた。

タイミングを見図り声をかけるのは、いつも勇気がいた。


「余計な仕事増やさないでよね!!」


本当にその通りです。すいません。



しばらくして外泊許可が出た。

帰宅すると制限されてた全てを満喫した。

今回はティッシュの箱に細工をして携帯を持ち込むことにした。



そしてまた病院へ。

途中コンビニに寄った。

吸い込まれるようにカミソリを手にしていた。そして会計を済ませるとその場で開けて衣服の中へ忍ばせた。



病院に着き車から降りると母が

「カミソリ渡しなさい」と言った。


私は興奮状態で大声を上げて拒否した。

その様子を見て息子が泣き出した。

でも怯まない私。異常だった。


「お願いだから…」

母は今にも泣きそうだった。

渋々服からカミソリを出し渡した。



事務所に着くと靴の中まで調べられた。前科者だから仕方ないか。


部屋に戻ると新しい患者さんがいた。


〇〇ちゃんは?と聞くと開放病棟に移ったという。


状態が良くなると閉鎖病棟開放病棟そして退院になる。


さっき預けた荷物が返ってきた。私は一番にティッシュの箱を探した。箱が開いていた。

持ち込み失敗だ…またもや信用失墜www



「今から開放病棟に移るから準備して」と突然看護師に言われ

慌ただしく階移動する光景を目にするようになった。

私より後から入院してきた患者さんも移動していく…


入院してもう3ヶ月になる。

私に声がかかる気配は全くない。



私は家族に電話をかけた。


「退院させたいと家の方から病院に伝えてくれないかな?」


家族の返事は、かかりつけの病院と相談してみるだった。



それから間もなく退院の日が決まった。


退院の二日前、母から電話があった。

なんと階段から落ち入院したとの事だった。


「だったら退院なんてしなかったのに!!」


私は病人に向かって暴言を吐いた。

最低だ。



そして退院の日。

仲の良かった患者さんや看護師さん達に挨拶をし病院をあとにした。


車に乗るとすぐタバコに火をつけた。

手が震えてるがいつもの事だ。



「ただいま」

と言うと父が迎えてくれた。

そして犬と猫も。


ゆっくりお風呂に浸かり

使い慣れた毛布に包まれるとなんとも

幸せな気持ちになれた。

我が家は何一つ変わっていなかった。



母が居ないこと。

そして私自身以外は。



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